捕手で大成しなくても… 小笠原、和田、北川ら打撃を武器に飛躍した一流プレーヤーたち
10名すべてがリーグ優勝に貢献という縁起の良さも
以上のように、捕手を含めた複数のポジションを務めながら、打撃面で優れた成績を残した選手は少なからず存在した。しかし、2005年の阿部氏と2016年の森選手以外は、後に捕手以外のポジションにコンバートされている点も示唆的だ。やはり、捕手以外のポジションも務めながら打撃面で結果を出すと、打撃をより生かすために他のポジションに移るケースが多かった。
また、今回取り上げた10名の選手は、いずれもその現役生活において、所属したチームのリーグ優勝に貢献した経歴を持っている点も興味深い。北川氏以外はいずれも優勝したシーズンにチームの主力を務めており、唯一の例外である北川氏も、代打として優勝を決める劇的な本塁打を放つというインパクト抜群の活躍を披露。こういった縁起の良い流れも、コンバートに対する楽しみな要素の一つと言えるだろう。
一旦は外野や指名打者での出場が多くなりながら、その後捕手に復帰し、扇の要として埼玉西武のリーグ連覇に貢献した森選手が直近の例ということもあり、ユーティリティで結果を出したら捕手以外にコンバート、という潮流が今後は変わっていく可能性もある。栗原選手がこれからどのような野球人生を送るかは現時点では誰にもわからないが、先人たちのように一軍に定着し、主力としてチームの優勝に貢献するような活躍を見せてほしい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)