西武に犠打は不要? 犠打数と得点力は比例するのか、直近5年のパ・リーグを振り返る
オリックスは直近5年でリーグ最多犠打数も…
〇ロッテ
近年のロッテは打率、本塁打数ともにリーグ下位に位置することが多く、打線の得点力不足に悩まされるシーズンが多かった。その影響もあってか、2015年と2018年はリーグ2位の犠打数を記録するなど、シーズンを通してバントを多用したケースも。ただ、本拠地のZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンが設置された影響もあり、2019年は得点数、本塁打数ともに向上。それに伴い、バント数もリーグ4位と前年に比べて減少していた。
選手別では、5年間すべてでチーム2位以内に入り、1位にも2度入った田村が最もコンスタントに犠打を決めた選手といえる。また、2015年と2019年にチーム最多犠打を記録した鈴木もバントに長けた選手だったが、移籍によってチーム全体の犠打数にも変化は生じるか。さらに、井口監督の就任後は、2018年に藤岡、2019年に鈴木と、2番を務める機会の多い選手がチームトップの犠打を決めている点が、現在のチーム方針の一端を示しているかもしれない。
〇オリックス
直近5年間でリーグ最多犠打チームに輝くこと3度、同2位が2度と、近年は多くの犠打を決め続けてきたことが数字にも示されている。その一方で、打率と得点数のどちらも、5年間でリーグ3位以上に入ったシーズンは一度もなかった。打線の得点力が上がらないために走者を堅実に進める策に出ていたことがうかがえるが、残念ながら得点力の向上には効果的に繋がってはいなかったようだ。
2015年から2017年までは安達、大城といった、2番を任されることも少なくない選手がチームトップのバント数を記録していたが、2018年からの2シーズンは下位打線に入ることが多い捕手の若月がチームトップの犠打数を記録。チーム全体では直近の2年連続でリーグトップの数字を記録しているものの、各選手の犠打数自体は2015年から2017年までの3年間に比べると、おしなべて減少傾向にある点も興味深いところだ。