広島浮上の鍵を握る“若鯉150キロトリオ” 新勝利の方程式でリリーフ改革なるか?
佐々岡監督が掲げるリリーフ投手の条件の一つ「終盤を抑えるパワーピッチャーが必要」
佐々岡監督は、就任当初からリリーフ陣の整備とその重要性を強調していた。春季キャンプでも「昨年は終盤に僅差のリードを守れずに落とす試合が多かった。勝てる試合を落としてしまう、その1つ1つの積み重ねが、シーズンを通すと大きなものになってしまう」と、ブルペンの再編に着手した。当初の構想ではスコット、DJ・ジョンソンの新外国人にフランスアを加えた3人を中心に、「若手の中で、リリーフの枠に何人、入って来られるかが重要になる」と新興勢力の台頭に期待していた。
リリーフ投手の条件のひとつとして、指揮官は「打者の技術やレベルも自分たちの時代に比べて格段に上がっている。我々が現役の頃は150キロを投げる投手がいれば凄いと言われていたが、今は珍しくない時代。完投する投手が少なくなって7回以降が重要になる現在の野球では、150キロ超の速球で打者を圧倒して、終盤を抑えるパワーピッチャーが必要になる」と、重要な要素として球速を挙げていた。
塹江、ケムナ、島内の3人は、佐々岡監督が言うその基準を満たしている。昨季は1軍投手コーチだった佐々岡監督だが、それまでは4年間、2軍投手コーチを務め、その手腕には定評があった。今季は先発ローテに定着した遠藤淳志も含めて、ファームの時代から指導していた教え子たちが、新監督の危機を救う存在になりつつある。“佐々岡チルドレン”が、後半戦の広島浮上のカギを握っている。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)