開幕延期にも屈しず…和田毅、松田宣浩ら2011年日本一に輝いたホークスVナインの今

和田毅の2011年、2019年成績
和田毅の2011年、2019年成績

和田は2016年に古巣に復帰、いきなり15勝を挙げ最多勝と最高勝率の2冠

○和田毅投手

 2010年に17勝を挙げて自身初タイトルとなる最多勝に輝いた和田は、統一球が導入された2011年にも前年と変わらぬ躍動を続けた。新球に対応して防御率も前年の3.14から大きく良化させ、勝利数も前年とほぼ同じ数字を記録。リーグ全体の得点力が低下する中で、打線の援護をきっちりと白星につなげた。日本シリーズでも2試合に登板して白星こそつかなかったものの、防御率2.08と安定した投球を披露している。

 2011年のシーズン終了後に米球界に挑戦し、MLBのオリオールズに入団。その後に移籍したカブスでは登板機会こそ多くなかったものの、2年続けて防御率3点台と一定の活躍を披露した。そして、2016年に古巣に復帰すると、いきなり15勝5敗という好成績を残して最多勝と最高勝率の2冠を達成。その後は故障に悩まされていたが、昨季は12試合に登板して4勝と復活の兆しを見せ、2011年以来となる日本シリーズでの登板も果たした。

 2020年には開幕ローテーションの一角としてシーズンを迎えると、7月4日の日本ハム戦では6回終了時まで相手打線を無安打に抑える快投を披露。2016年以来となる完封も見えてきた8回に3連打を浴びてマウンドを降りたが、7回0/3を3失点で今季初白星をマークするとともに、復活を強く印象付ける投球内容を見せている。

岩嵜翔の2011年、2019年成績
岩嵜翔の2011年、2019年成績

○岩嵜翔投手

 前年の2010年までの3年間は1軍で勝ち星を記録できていなかったが、プロ4年目の2011年に先発として頭角を現した。優勝を決めた試合で7回無失点の好投を見せて勝ち投手となるなど、プロ初勝利を含む年間6勝、防御率も2点台と活躍。日本シリーズでは登板機会がなかったが、持てる才能の一端を示すシーズンとなった。

 その後は故障もあって苦しむ期間が長かったが、2016年に35試合で防御率1.95と、中継ぎとして覚醒。続く2017年には72試合に登板して46ホールドポイント、防御率1.99と、まさに大車輪の活躍を見せ、自身初タイトルとなる最優秀中継ぎにも輝いている。

 2018年以降は再び故障に悩まされているが、今季は相次ぐケガを乗り越え、中継ぎの一角として開幕一軍入りを果たした。勝ちパターンの一員として5試合に登板して3ホールドをマークしたものの、防御率13.50とまだ本領発揮とはいかず。かつての球威を取り戻し、抜群の安定感で打者を圧倒する姿を再び見せてほしいところだ。

高谷裕亮の2011年、2019年成績
高谷裕亮の2011年、2019年成績

○高谷裕亮捕手

 後述する細川亨捕手の加入や山崎勝己捕手の存在もあり、高谷にとって2011年はキャリア最少タイの12試合出場にとどまる厳しいシーズンとなった。限られた出番の中で高い打率を記録したが、日本シリーズでは登録メンバーに入りながら、出場機会を得ることはできなかった。

 だが、翌2012年に64試合に出場して一軍の舞台で再び存在感を示すと、その後は豊富な経験を活かして随所で堅実な働きを披露。さらに、グラシアルがホームランを打った後のパフォーマンスの受け手としても注目されるなど、ムードメーカーとしても貴重な存在となっていった。甲斐拓也が捕手として一本立ちした現在であっても、時には抑え捕手として試合を締めくくる高谷の貢献は、チームにとって欠かすことのできないものだ。

 高谷は2020年も開幕から1軍に帯同し、7月4日の日本ハム戦では先発マスクを被って和田の好投を引き出した。この試合ではフル出場して2安打を記録する活躍を見せ、守備だけでなく打撃面でも存在感を発揮。連戦が続く日程となる今季は、頼れるベテラン捕手の存在がより重要性を増してくる可能性も高そうだ。

今宮健太の2011年、2019年成績
今宮健太の2011年、2019年成績

○今宮健太内野手

 今宮にとって、2011年は高校からプロ入りして2年目のシーズンだった。この年は1軍で18試合に出場するも無安打に終わったが、日本シリーズでは代走として1試合に出場。翌2012年には126試合に出場して主力の座に定着し、以降は着実に成長を続けて遊撃手として不動の存在となっていく。

 若手時代からそのバント技術は特筆もので、2013年と2014年には、パ・リーグタイ記録となるシーズン62犠打を2年連続で記録。抜群の身体能力を活かした華麗な守備でも何度もチームを救い、リーグ屈指の遊撃手として躍動した。直近2年間は怪我の影響で出場機会を減らしているが、2020年こそは離脱することなく、健康体でシーズンを送ってほしいところだ。

松田宣浩の2011年、2019年成績
松田宣浩の2011年、2019年成績

○松田宣浩内野手

 プロ入りから2010年までの5シーズンにおいては、シーズン19本塁打が自己最多の本数だった。だが、統一球導入の影響で各チームの打者が軒並み本塁打数を落とす中で、松田宣は逆に本塁打数を伸ばすという離れ業を披露。松田宣が記録した25本塁打は中村剛也選手の48本に次ぐパ・リーグ2位の数字であり、このシーズンの大活躍によって、チームの中心打者としての地位を完全に確立したと言っていいだろう。

 その後は不動の三塁手としてソフトバンクの中軸を担い続け、2015年から5年連続で全試合出場を達成するなど、2010年まではたびたび悩まされていたケガも克服。この2011年は、松田宣にとってはまさにキャリアのターニングポイントと言ってもいい年だった。2019年には通算1500試合出場、1500安打、250本塁打といった節目の記録を次々と達成しており、30代後半を迎えた今もなお、主砲としてチームに貢献し続けている。

内川は移籍1年目でいきなり首位打者を獲得する大活躍

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