開幕延期にも屈しず…和田毅、松田宣浩ら2011年日本一に輝いたホークスVナインの今

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

登録メンバー外だった選手の中にも、後の主力選手が多く存在

 当時の支配下登録選手の中で日本シリーズの登録メンバーから外れた面々のうち、現在もNPBで現役を続けているのは柳田悠岐外野手と川原弘之投手の2名。柳田はルーキーイヤーとなった2011年は6試合の出場で無安打に終わったが、2年後の2013年からは主力に定着。その後は2015年のトリプルスリーをはじめ、2度の首位打者、4度の最高出塁率、1度のリーグMVPという抜群の実績を残しており、球界屈指の強打者へと進化を遂げている。

 一方の川原は2012年に2軍で158キロの速球を披露するなど快速左腕として将来を期待されたが、相次ぐ故障に苦しめられて育成落ちも経験。しかし、2019年に4年ぶりに支配下登録を勝ち取ると、1軍で自己最多の19試合に登板してプロ初ホールドも記録。今季以降のさらなる活躍にも期待を持たせている。

 また、当時の育成選手の中には千賀滉大投手、甲斐拓也捕手、牧原大成内野手、二保旭投手といった、後に1軍の舞台で主力として活躍を見せる選手たちも在籍していた。ソフトバンクでは育成出身選手が活躍を見せるケースは枚挙に暇がないが、こういった過去のデータを紐解いて見ても、あらためてその眼力の高さを感じ取れるところだ。

 2011年にも列島全体が未曽有の状況に置かれていたが、プロ野球の開幕後は各選手たちのプレーが少なくない数の人を勇気づけ、全国の人々に対して元気を与えてきた。社会全体の先行きが不透明な状況は続いているが、あの時と同様に、今季も選手たちは活力にあふれたプレーを披露し、野球を愛するファンたちを大いに楽しませてくれることだろう。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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