開幕延期にも屈しず…和田毅、松田宣浩ら2011年日本一に輝いたホークスVナインの今

明石健志の2011年、2019年成績
明石健志の2011年、2019年成績

内川は移籍1年目でいきなり首位打者を獲得する大活躍

○明石健志内野手

 俊足と高いユーティリティ性を備えながら、相次ぐ故障の影響もあり、中々1軍に定着しきれない期間が長かった。2011年も年間を通じて1軍で出場機会を確保はできなかったが、バイプレーヤーとしてチームの穴を埋め、日本シリーズでも2試合に出場。続く2012年には移籍した川崎宗則の後釜として遊撃手の定位置を確保し、自身初となる規定打席にも到達。25盗塁、23犠打と持ち味を発揮し、主力選手として活躍を見せた。

 2013年以降は今宮の台頭と自身の故障が重なって遊撃手の定位置こそ失ったが、その後も機動力とシュアな打撃を武器に、貴重なユーティリティとしてチームを支える存在に。スタメンとしてもスーパーサブとしても計算できる明石のような存在は、強豪チームにとって欠かすことのできないもの。例年怪我人が多くなりがちなソフトバンクにとってはなおのこと重要な役割であり、現在に至るまで貴重な戦力となっている。

内川聖一の2011年、2019年成績
内川聖一の2011年、2019年成績

○内川聖一内野手

 2011年はFAで横浜からソフトバンクに移籍して最初のシーズンだった。しかし、初体験のパ・リーグにもすぐさま適応して安定した打撃を披露し、移籍1年目でいきなり首位打者を獲得する大活躍を見せた。横浜時代の2008年に続く2度目のタイトルであり、史上2人目となるセ・パ両リーグで首位打者獲得という快挙を達成。この活躍が認められ、同年のリーグMVP受賞も果たしている。

 その後も2011年から2016年の6シーズンで5度の打率.300以上を記録するなど、球界屈指の安打製造機として活躍を続け、2014年には日本シリーズのMVPも獲得。卓越したバットコントロールを武器に安定した打撃を続け、2018年5月には通算2000本安打の快挙も達成した。

 現役選手の中でも比類なき実績を残している内川だが、ベテランの域に入ったここ2シーズンはやや打率を落としていた。節目のプロ20年目となる今季は復活に期待がかかったが、まさかの開幕2軍スタートに。それでも、NPBでの抜群の実績に加え、WBCに3度出場するなど国際経験も豊富な内川の存在は、チームにとっても無形の財産となりうる。再び1軍の舞台に舞い戻り、その経験と技術を活かしてチームに貢献してほしいところだ。

長谷川勇也の2011年、2019年成績
長谷川勇也の2011年、2019年成績

○長谷川勇也外野手

 2009年に初の年間打率.300超えを記録したが、2010年には打率.255とやや成績を落としていた。だが、2011年は統一球の導入で成績を落とす選手が少なくない中で、.300にこそ届かなかったものの、打率を再び向上させるシーズンに。日本シリーズでも全7試合に出場し、この大舞台でも打率.273、出塁率.360と一定の活躍を披露。主力の一人として、チームの日本一にも貢献を果たしている。

 その後も主力打者として活躍を続けていき、2013年には打率.341、198安打という抜群の成績を残し、首位打者と最多安打の2冠を達成。2015年以降は故障もあって出場機会を減らす年も多かったが、2019年は少ない出場機会ながら打率.302、OPS1.012と素晴らしい打棒を披露。その打撃技術の高さを、改めて証明している。

中村晃の2011年、2019年成績
中村晃の2011年、2019年成績

○中村晃外野手

 2011年はプロ4年目で1軍デビューを果たした年となった。この年は33試合の出場で打率1割台に終わったが、2年後の2013年には規定打席に到達し、打率.307という好成績を残してレギュラーに定着。その2013年から3年連続で打率.300以上の数字を残し、2014年には最多安打のタイトルも獲得。主力打者の一員へと飛躍を遂げている。

 その後もシュアな打撃と優れた選球眼を武器に、2018年まで6年連続で規定打席に到達。チーム事情に応じて外野と一塁を守れるユーティリティ性も故障者の多いチームの助けとなり、攻守にわたる堅実な働きで中心選手として強豪チームを支え続けた。今季はプロ入り初の4番を打つなど頼もしい存在だ。

後に移籍した選手たちも、それぞれ新天地で確かな存在感を発揮している

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