元中日チェンがロッテVのラストピースに 実績豊富な左腕加入で期待される波及効果は?
各種の指標にも表れる、チェン投手の安定した投球内容
ここからは、チェンが日米で記録した投球内容について、奪三振率、与四球率、K/BB(四球1つに対して何個の三振を奪ったかを示す指標)といった各種の指標から迫っていきたい。まず、NPBにおける数字は下記の通りだ。
奪三振数がイニングを上回ったのは登板数の少なかった2005年だけだったが、2008年から2010年までの3年間における奪三振数は、一般的に優秀とされる7~8点台を記録し続けていた。そんな中で、統一球の影響でNPB全体の投手成績が軒並み向上していた2011年は奪三振を狙う必要が薄かったこともあってか、奪三振率は5.14まで落ち込んでいた。
一方、その2011年の与四球率はキャリアベストの1.69となっている点も興味深いところだ。その他の年の与四球率も1点台こそないものの、全ての年で2点台と安定した数字を記録。K/BBも全ての年で3点台と及第点以上の数字を残しており、大崩れすることなく安定した値を記録し続けていた。
諸々の環境の違いによってやや趣の異なる数字になっていた2011年を除けば、3つの指標はそれぞれ突き抜けてこそいないものの、安定して一定以上の数字を記録していたと言える。防御率も含めてどの指標にも破綻がなく、いうなれば、明確な欠点や弱点と言える部分も少ない。そういった要素が、総じて安定度の高いチェン投手の投球内容にも表れていたのではないだろうか。