元中日チェンがロッテVのラストピースに 実績豊富な左腕加入で期待される波及効果は?
今季の優勝、そして未来に向けての「ラストピース」となるか
そして、なんといっても、もう一人の「チェン投手」である、チェン・グァンユウ投手との関係も語り落とせないところ。苗字だけでなく台湾出身の左腕でもある両者は共通点も多く、過去には共に自主トレを行うなど、今回の入団決定前から親交は深かった。9月16日に1軍へ復帰したチェン・グァンユウ投手にとっても、かねてより畏敬の念を口にする偉大な先輩の加入は、プレーとメンタルの両面において、非常に大きな刺激となることだろう。
先ほどの項ではチーム内の左投手について取り上げたが、25歳の二木康太投手、24歳の東妻勇輔投手、23歳の岩下大輝投手と小野郁投手のように、右投手の中にも1軍戦力として奮闘している若手投手は少なからず存在している。チェン投手がチームに合流すれば、若手の多い現在の投手陣にとっても良い手本となると同時に、石川歩投手や美馬学投手のようなベテランに続く、精神的支柱としての貢献も期待できるかもしれない。
そして、1軍に帯同しながら吉井理人コーチによる英才教育が続いている佐々木朗希投手にとっても、MLBの舞台で強打者たちを相手に真っ向勝負を繰り広げてきたチェン投手の一挙手一投足は、今後の野球人生に役立つ教材となる可能性もあろう。若き逸材が多く在籍するロッテにやって来た、圧巻の実績を持つベテラン左腕。悲願のリーグ優勝、そして近未来の投手王国への礎を築く、文字通りの「ラストピース」となりうる存在だ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)