衰え知らぬ西武・中村剛也の凄さ 豪快弾と勝負強さを生み出すものとは?
「規定打席に到達すれば本塁打王」のジンクス
中村にまつわる有名なエピソードの一つとして、「規定打席に到達したシーズンには必ず本塁打王のタイトルを獲得する」というものが存在した。中村がプロ入り後に規定打席に到達した年と、該当シーズンの成績は次の通りだ。
このように、プロ入りから2015年までの14年間において、規定打席に到達した6シーズンにおいてはその全てで本塁打王を獲得。ある程度の打席数が確保できれば、必ずライバルたちとの争いを制してタイトルを手にし続けてきたという、中村の恐るべき能力の一端がうかがえるところだ。
不振に陥っていた2017年に規定打席に到達し、タイトルを逃したことでジンクスは途切れたが、2年ぶりに規定打席に到達した2019年には、先述の通り打点王のタイトルを獲得。規定打席に到達した8シーズンのうち7度は何らかのタイトルを獲得しているという縁起の良さは、今なお継続している。
また、試合に出場できれば質の高い打撃を見せ続けてきた中村は、通算の指標という面でも優れた値を残している。先述の通り、通算の長打率は現役選手の中では最も優れた数字であり、通算の出塁率も.342と、十分に高いと言える水準に達している。その結果、長打率と出塁率を足して求める「OPS」という指標は通算で.866という高水準のものとなっており、その打撃の質の高さをあらためて示している。