衰え知らぬ西武・中村剛也の凄さ 豪快弾と勝負強さを生み出すものとは?
リーグ全体が極端な投高打低だった時代にも、圧巻の打棒を披露
NPB全体での統一球導入が開始された2011年と、その翌年の2012年は、リーグ全体の打撃成績が大きく下降し、逆に投手成績は軒並み向上するなど、各球団の打者にとっては受難の時期となっていた。しかし、圧倒的なパワーと技術で本塁打を量産していた中村にとっては、そのような環境もさしたる妨げにはならなかった。
事実、中村は2011年と2012年の2シーズン連続で本塁打王の座に輝いただけでなく、2011年に記録した48本塁打という数字は、自身にとっても自己最多タイとなる数字に。さらに、同年のリーグ全体の本塁打数(454本)のうち10.6%、すなわち1割以上を1人で占めるという、まさに驚異的な成績を残した。球界全体が極端な投高打低となっていた環境にあっても、文字通り異次元の打撃を披露していたと言える。
以上のように、中村はレギュラーの座をつかんだ2008年以降、ホームランバッターとして傑出した実績を残してきた。天性のパワーと確かな技術に裏打ちされた、豪快かつしなやかな打撃は、まさにホームランアーティストと呼ぶに相応しいものと言えよう。
現在もチームの主軸として勝負強いバッティングを続けている中村は、今後もさらに自らが持つ数字を伸ばしていってくれるだろうか。2年連続の打点王、5年ぶり7度目の本塁打王といった、通算11度目のタイトル獲得も期待できるだけの打撃の完成度を今なお維持している獅子のレジェンドは、これからもその背中と打棒で、チームを力強く引っ張っていってくれるはずだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)