世界70か国以上で競技者急増中 手打ち野球の進化版「Baseball5」とは?
男女混合やストリートの新感覚で、伝統や歴史という「野球のイメージを変えたい」
日本では国民的スポーツとしての地位を確立している野球には、長い歴史と積み重ねた伝統がある。こういった格式は野球の価値を高める一方で、堅苦しさや敷居が高いイメージも生んでいる。女子日本代表として活躍し、野球が大好きと公言する六角は、だからこそストリートスポーツの気軽さや手軽さを持つBaseball5で「野球のイメージを変えたい」と言う。
「野球の伝統とはちょっと違う、新しいかっこよさや今風なイメージで、子どもたちや若者が気軽に入ってこれるといいですよね。小学校でBaseball5をやった子どもが、そこから野球やソフトボールに入ってきてもいいし、Baseball5を1つの競技として極める道も整備していきたいと思います。甲子園みたいにBaseball5の聖地で全国大会をやるのも面白いかもしれない。私は野球、ソフトボール、Baseball5のどれか1つを選ぶんじゃなくて、どれでもやっていいと思うんです。一緒に楽しく盛り上げていけば。バスケットボールやサッカーみたいな他競技とBaseball5の掛け持ちをしたっていい。そのくらい身近に楽しめるスポーツとして広まるといいですね」
今年メキシコで開催予定だった「第1回WBSC Baseball5ワールドカップ」はコロナ禍により、2021年に延期となった。だが、競技誕生から2年ほどで世界大会を開催しようというのだから、いかに速いスピードで普及が拡大しているのかが分かる。10年後、Baseball5は世界でどんな存在になっているのだろうか。
「ユースオリンピックの追加種目になったことで、爆発的に競技人口や人気が伸びる可能性があると思っています。何よりも簡単だし手軽。野球がもう一度オリンピック種目になるよりも、Baseball5がオリンピック種目になる可能性の方が高いんじゃないかと。男女の差なく活躍の場が与えられるのは、今の世の中にピッタリ合うと思います」
コロナ禍により国内でのイベントは軒並み中止になっていたが、10月11日には東京・港区スポーツセンターで小学生を対象とした体験会を開催。これを皮切りに、また全国各地でイベントや体験会が行われる予定だ。
「日本でもどんどん普及が進んで、学校で昼休みに子どもたちが『Baseball5やろうよ!』っていう光景が見られるのが理想ですね。Baseball5は十分にその可能性を持っています」
Baseball5――今からその名前を覚えておいて、決して損はない。