ハム中田の108打点と鷹周東の50盗塁はどれだけ凄い? 143試合換算でわかる“傑出度”

ソフトバンク・周東佑京の打撃成績【画像:(C)PLM】
ソフトバンク・周東佑京の打撃成績【画像:(C)PLM】

143試合だったら周東の盗塁数は大台の60に到達する計算

 一方、周東の成績も見ていきたい。昨季は俊足やユーティリティ性を活かしたスーパーサブとしての出場がメインで、試合数と打数は全く同じ。代走としての出場が主ながら25盗塁を稼ぎ、侍ジャパンにも選出された機動力は卓越しているが、打率は1割台とバッティングの面では苦戦を強いられ、レギュラーの座に迫るには至らなかった。

 しかし、今季は課題だった打撃面が大きく改善され、スタメン出場の機会が飛躍的に増加。9月からはトップバッターを務める試合が大半となり、出塁率.325とリードオフマンとしての適性を示した。出塁数の増加に伴って盗塁数も伸び、ちょうど前年から倍となる長足の進歩を遂げた。13試合連続盗塁というプロ野球記録も打ち立て、自身初タイトルを手に入れた。

 今季の周東の成績を143試合に換算してみると、安打数は99で、あと1本で3桁というペースであった。盗塁数もちょうど10個増加し、60の大台に乗る計算に。一見すると2019年とさほど変わらないように見えた出場試合数も、143試合換算であれば123試合という数字となり、レギュラー1年目としては十二分に優れた成績を残していたことが見えてくる。

 周東の今季の盗塁のペースを評価するにあたり、直近10年間のパ・リーグ盗塁王と、その盗塁数についても紹介していきたい。

直近10年のパ・リーグ盗塁王【画像:(C)PLM】
直近10年のパ・リーグ盗塁王【画像:(C)PLM】

 過去10年間のパ・リーグにおいて60盗塁の大台に到達したのは、2011年の本多氏だけ。盗塁王獲得者の顔ぶれを見てもわかる通り、近年のパ・リーグは数多くの快速ランナーがしのぎを削ってきた。その中でもトップクラスのペースで盗塁を積み重ねた今季の周東は、近年のリーグ内においても、とりわけ傑出した存在のひとりであると言えそうだ。

 シーズン60盗塁という数字は容易に到達できる数字ではない。2リーグ制導入以降のパ・リーグにおいて、60盗塁以上を記録して盗塁王に輝いた選手たちの顔ぶれは、上記の通りとなっている。

シーズン60盗塁以上のパ・リーグ盗塁王【画像:(C)PLM】
シーズン60盗塁以上のパ・リーグ盗塁王【画像:(C)PLM】

 シーズン60盗塁という数字は容易に到達できる数字ではない。2リーグ制導入以降のパ・リーグにおいて、60盗塁以上を記録して盗塁王に輝いた選手たちの顔ぶれは、下記の通りとなっている。

1980年代以降は60盗塁以上をマークする選手は減少

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