無観客キャンプで際立つ鷹・松田宣浩の偉大さ “元気印”の不変の存在感
無人のスタンドでもグラウンドに響き渡る松田の声
宮崎キャンプ2日目に行われた3箇所でのノック。松田は例年と同様にチームの先頭に立って声を張り上げていた。後輩たちがエラーをすれば、ヤジを飛ばしてチャチャを入れる。大先輩で9年ぶりに復帰した小久保裕紀ヘッドコーチがノッカーでミスをすれば、遠慮なしにいじり倒す。小久保ヘッドコーチでさえも、ミスすれば、罰ゲームとしてジャンプ10回を課されていた。
この松田の元気、そしてもう1人のベテランである川島慶三内野手に引っ張られるように、他の選手たちも声を出し、無観客でありながら、この日のグラウンドには活気が満ち溢れていた。A組が練習をするメイン球場のアイビースタジアムの声は、若手が集まるB組のサブグラウンドにまで響き、B組のそれよりも大きく聞こえるほどだった。
この日の練習を終えた松田は言う。「無観客でのキャンプは初めての経験で寂しさ、違和感はありますけど、2月1日から戦いは始まっている。無観客だからと言い訳にならない。ファンの人たちがいる、いないに関わらず、ホークスらしい野球、自分らしい野球を積み重ねていきたい」。この言葉に松田の思いがこもっていると言えるだろう。