先輩から後輩へ繋ぐ想い 吉田えり、加藤優、甲斐綾乃が女子野球教室を開催

自身の経験を踏まえ、保護者の疑問に答える加藤選手【写真提供:横浜DeNAベイスターズ】
自身の経験を踏まえ、保護者の疑問に答える加藤選手【写真提供:横浜DeNAベイスターズ】

子どもたちに伝えたい「目標を持つことの大切さ」

 3人のメッセージに共通しているのは、「目標を持つことの大切さ」だ。例えば、加藤選手は高校時代に一時ソフトボールをプレーしたが、「女子日本代表になりたい」という目標を持っていたため、野球に再転向した。同じく甲斐さんも「野球で日本代表になりたい」という目標を持ち続け、中学ではクラブチームで硬式野球を続け、女子硬式野球部がある高校、大学に進学した。何を目標に掲げるかによって、その道筋は自ずと見えてくるようだ。

 女子を取り巻く野球環境も整いつつある。加藤選手は地元で中学生に野球を指導する父のチームでは「女子野球部のある高校が増えてきたので、野球をやりたいけどソフトボールに行かなければならない子は徐々に減っているように思います」と話し、こう続ける。

「企業チームが増えているし、NPBのユニホームを着てプレーができるチームもある。私個人としては(NPB球団が)ゆくゆくは女子のプロ野球チームを作ってくれるんじゃないかと期待しています。今の小中学生が大人になる頃は、もっと環境が良くなっていると勝手に期待しています」

 コロナ禍のため久しぶりの野球教室に参加した吉田選手は「自分が小学生の時は(女子は)本当に1人、2人という感じ。こんなにたくさんの女の子を見るだけで『ウワッ!?』と胸が熱くなります」と、集まった“後輩”たちの姿に笑顔を見せる。日米独立リーグで男子選手と一緒にプレーし、2017年に入団したエイジェックで女子野球に復帰。男子チームでプレーする楽しさもあったが、女子チームならではの良さを感じているという。

「男子の中でチームメートに恵まれた部分は大いにあったんですけど、思春期になるとどうしてもちょっと遠慮しちゃって(笑)。女の子同士だったらその壁もなく、思いきりハイタッチしやすいですよね。私自身、4年前から女子野球に来て今、野球が本当に楽しいので、もっともっと女子野球チームが増えていってほしいと思います」

プレーし続けることで生まれる女子野球の発展「どこかでまた会えると思う」

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