新潟県に女子野球を広めた女性の熱意が結実 開志学園が男女通じて初の全国制覇

新潟県女子野球連盟会長として2018年に女子硬式野球新潟大会をスタート

 小学生に女の子同士で野球をする楽しさを広めたことで、その後、県内に中学や一般の女子クラブチームが誕生した。だが、高校女子野球チームがなかったため志を持った中学生が県外の高校に流出してしまう。そこで頓所さんは仲間とともに、高校に女子硬式野球部創部を呼びかける活動を開始した。開志学園に2年近く女子野球の魅力を伝え続け、2013年に念願の女子野球部が発足した。

 同校の要請を受けて創部から4年間、同校のコーチを務めた。「少年野球ではノックもしていましたが、軟式と硬式は違うので引き受けるべきか大きな葛藤がありました。ただ、女性がいた方が良いと背中を押してくださった方もいて、いろんなご縁がありました」と振り返る。

 尽力したのは、環境整備だ。県内に女子の硬式チームは1チームだけ。1年目は男子中学生硬式チームと練習試合を行ったが、お互いのモチベーション的に難しさがあった。切磋琢磨できる環境を求め、今度はヴィーナスリーグ関東女子硬式野球大会に参戦できるように動いた。創部2年目から参入を認められ、バスで往復8時間以上かけて関東に通った。「ヴィーナスリーグ参加がモチベーションや経験につながっていると思います」と同校のその後の躍進につながった。

 開志学園の選手たちのためにもう一つ実現させたのは、今年4回目を迎える女子硬式野球新潟大会(4月24、25日)。「これは私がコーチとして在籍していた時から一番やりかったこと。女子野球を県内で見てもらう機会がないので、県内の人が存在を知らないんですよ。楽しそうな雰囲気を含め、女子の本気の硬いボールの野球を見せたくて」。チームを離れ、県内の女子野球団体を取りまとめるために2016年に発足させた新潟県女子野球連盟の会長として、2018年に第1回大会開催にこぎつけた。

夢は新潟県初の女子硬式クラブチーム設立

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