珍しい「6-5-3」併殺はなぜ起きた? NPBで広まってもいい「守備シフト」の有効性
特に左打者を相手にした守備シフトは日本でも広がってもいい?
現状、NPBにおける守備シフト戦略は一部の球団が一部の強打者に対応するものとして採用されている。ただし、今回紹介したように、佐野の打球だけが特別というわけではない。他にも、シフト採用を検討すべき打者は数多く存在する。
特に左打者については、右打者以上にシフト導入も容易なはずだ。対右打者であれば、引っぱり方向に内野手を集中させたくても、ファーストは一塁からそれほど離れられない制約がある一方、対左打者では自由にポジションを変えやすいためだ。
MLBでは当たり前に行われる守備シフト。NPBにおいても以前に比べると珍しくなくなってきたが、もう少し適用される範囲が広がってもよいのではないだろうか。
(DELTA)
DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。