「相当な選手になる」早大・小宮山監督も素質に惚れ込む1年生が神宮デビュー
7回2死満塁での六大学初打席は空振り三振に…
エースの乱調で大敗に終わり、沈黙から始まった試合後の取材。小宮山監督に並んで席に着いたのは、1年生の吉納翼だった。東邦(愛知)出身の外野手。2019年のセンバツでは、下級生ながらも、現ロッテの明石商・中森俊介から本塁打を放つなど活躍。中日の石川昂弥内野手らとともに“平成最後の選抜王者”に貢献した。
高校通算44本塁打を誇る期待スラッガーの神宮デビューは7回に巡ってきた。3点目を返し、なおも2死満塁のチャンス。流れを引き寄せられるかどうかのところで、大物ルーキーは冷静に打席に入った。
「緊迫した場面で、満塁だったので自分の持ち味の長打というよりはここで単打でもいいからだそうという気持ちで打席に入りました」
吉納が野球をする上で大切にしているという“最初の一振り”はフルスイングで空振り。その後はボール球を冷静に見極めるところもあったが、早稲田戦士としての初打席は結局、空振り三振に終わった。
「初打席で初球から振れたことは自分にとっても、今後の大学野球生活でとても成長できるのかなと思います」。試合でいえばチャンスでの痛い三振になったかもしれないが、吉納翼という一人の野球選手にとっては大きな意味を持つ三振となったのは間違いない。