開幕5連敗も4月で完済 ロッテ井口監督が考える「4月に勝ち越せた2つの理由」

存在感を光らせた5年目右腕「真っ直ぐのキレが非常にいい」

 4月は先発投手の働きに助けられました。みんながしっかりと5回までゲームを作ってくれたことは、非常に大きかったと思います。ルーキーの鈴木が先発する日に、なかなか打線が援護できず、プロ初勝利まで時間がかかってしまったのは申し訳なかった。それでも、鈴木に限らず先発全員が自分の仕事を果たしてくれていることが、4月に勝ち越せた土台となっています。

 当初は中継ぎが安定せず、うまく繋げない部分もありました。でも、ここへ来てみんなが調子を上げてきて、ハーマン、唐川、益田という勝ちパターンが作れるようになった。状態が安定しなかった小野(郁)も一度ファームで立て直し、かなりいい状態で帰ってきました。小野が不在の中で存在感を光らせたのが、5年目の(佐々木)千隼です。

 もともと先発で考えていて開幕ローテに入るギリギリの線にいましたが、ロングリリーフもできるタイプということで中継ぎに回ってもらいました。今年に関しては、真っ直ぐのキレが非常にいいし、コントロールもしっかりしている。今まで長いイニングで放っていたのが、1イニングに集中して全力でいけているのが奏功しているのかもしれません。中継ぎの厚みを増すために千隼や小野がいい働きをしてくれると、本当にありがたいですね。

 4月には監督として通算200勝を挙げることができました。これはひとえに選手たちの頑張り、ファンの皆さんの声援のおかげです。ありがとうございます。200勝といえど、僕の中では通過点ですし、自分が何勝を記録するかより、チームが優勝する方が大事。そのために1勝1勝を積み上げていきたいと思います。

 ご覧の通り、パ・リーグはそんなに甘いリーグではありません。想定内だとは言え、今も混戦状態が続いています。今季は9回で試合終了となるため、どのチームも全力で投手を注ぎ込み、ベンチを注ぎ込んでくる。自分のやるべきことをやって食らいついていくのみですが、ファンの皆さんにとっては1試合も落とせない状況が最後まで続くので、面白いシーズンになっているのではないでしょうか。

 5月中にはファームで経験を重ねている佐々木朗希が1軍で投げる可能性もあります。コンディション次第なので、いつ投げるか明言はできませんが、ファンの皆さん同様、僕も楽しみにしています。

 小休止を挟んだ5月は、まず3連戦の初戦をとってカードを勝ち越す。どのチームも取りこぼすことはできないので、全力で勝利を掴みにいきます。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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