ハイレベルすぎるパ新人王争い 宮城大弥、伊藤大海、早川隆久の特徴と凄みとは?
引き出しの多さが魅力の伊藤、早川は球種の組み合わせが絶妙
伊藤は苫小牧駒大から、2020年のドラフト1位で日本ハムに入団。地元出身のドラ1選手として期待を集め、開幕後はそれを上回る圧巻の投球を披露している。チームの不振から、序盤は援護や勝ち星に恵まれない時期もあったが、崩れることなく安定した投球を継続。その結果、5月28日の中日戦から6連勝、この間は6試合連続で6回以上を投げ、2失点以下と内容も抜群だった。東京五輪を戦った侍ジャパンに追加召集され、リリーフとして金メダルに貢献したのは記憶に新しい。
150キロを超える速球を軸に、鋭く落ちるフォークと変化の大きなスライダーで空振りを奪うのが持ち味だ。さらにカットボールでゴロを打たせることもできる。他にも、チェンジアップ、カーブ、ツーシームと多彩な球種を持ち、新人離れした引き出しの多さが安定感の源だ。
昨秋のドラフトで4球団が1位競合した早川は、早大から楽天に入団。木更津総合高時代に甲子園で活躍し、大学でもエースとして君臨した。満を持して進んだプロの舞台では3月28日の日本ハム戦に先発し、6回無失点でプロ初登板初勝利を記録すると、4月18日の日本ハム戦から6月6日の広島戦まで自身6連勝を記録。その間、6回3失点以下のクオリティスタート達成は8試合中3試合と半数未満でも、かつての田中将大投手のような“勝ち運”が光った。さらに5月16日のオリックス戦では、わずか98球でプロ初完封という離れ業を演じてもいる。
こちらも150キロ台に達する速球を軸に、130キロ台中盤から140キロの高速チェンジアップ、同じ球速帯のカットボール、120キロ台でカットよりも大きく変化するスライダー、ブレーキの利いたカーブを持つ。各球種が相乗効果を発揮するような、実戦的な投球スタイルが特徴だ。