結果が出なくても、鷹が松田宣浩を必要とする理由 決勝二塁打に表れたベテランの価値

「ユニホームを着ている以上、悔しいし、試合に出続けたいと思うのがプロ野球選手」

 苦しい戦いの末の1勝となった。前日は5点差をひっくり返されての逆転負け。この日も波に乗れない展開が続いた。初回1死一、三塁で栗原が併殺。3回1死一、三塁では川島、柳田が相次いで凡退した。4回に栗原がソロを放ったものの、その後の満塁機は得点ならず。5回も無死一、三塁から柳田の犠飛による1点止まり。再三チャンスを作ったものの、リードするまでには至らず。グラウンド上に漂っていた閉塞感を打ち破ったのが、松田のバットだった。

 この試合前までの成績は287打数67安打の打率.233、11本塁打34打点と苦しんできていた松田。後半戦に入ると栗原が三塁を守り、スタメンから外れることも増えてきている。長年、チームを支えてきた主力だけに、ベンチを温める試合での悔しさは想像に難くない。それでも、ベンチの前面に出て声を出し、若手に声をかける。代わって三塁を守る栗原には助言を送る。その姿勢は試合に出ていようと、いなかろうと変わらない。

「ユニホームを着ている以上、悔しいし、試合に出続けたいと思うのがプロ野球選手だし人間。ただ、前半戦じゃなく、後半戦なので、チームの勝ちが1番上にくる。そういう中で与えられたところ、打席で自分の打球を飛ばしていったらいいかな、と」

松田の一打にベンチは大盛り上がり、ドームに響き渡る絶叫「やったよー!!」

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