女子も甲子園で…夢叶えた神戸弘陵・島野愛友利 苦悩と成長を支えた2人の存在
悩んだ入学半年、恵まれた練習環境から部活動への適応
「紅白戦をすると、先輩たちはすでに有名だった島野の投球練習をしっかり見て、『絶対に島野から打ってやろう』という気持ちで打席に入っていたように思います」
しかし、2年半の高校野球生活がすべて順風満帆だったわけではない。入学してすぐに島野は壁にぶつかった。中学時代はボーイズの練習とは別に野球塾へも通い、ほぼマンツーマンに近い形式で指導を受け技術を磨いた。だが、高校入学当時71人の部員が在籍していた同部は、すぐに指導を仰げる環境ではなく、指導者を独占することもできない。練習環境の変化に入学から半年ほど悩んでいる様子だったという。
「もう高校生なんだから人に言われたことをするのではなく、自分でフォームを見つけなさい」
阪神タイガースの佐藤輝明を輩出した仁川学院を卒業後、関西大学準硬式野球部の投手として2011年に全国ベスト8の成績を収めている城戸部長は、更に成長するためには自分で分析・解決ができる能力が必要であることを教えた。そして島野は入学前からのストイックさに加え、自ら考えて練習に取り組める投手へと成長していった。