集中豪雨で埋もれたグラウンド 保護者総出で復旧にあたった佐賀ビクトリーの想い
子どもたちの声が響くグラウンドに「チームで力を合わせた甲斐があった」
専門業者に頼めば膨大な出費となる復旧作業を、チーム一丸となって取りかかることにした。建設関連会社に勤務するOBがいることもあって重機を借り受け、週末になるとグラウンド外に泥を運び出す作業を繰り返した。
「皆さん仕事があるので、作業をするのはやっぱり週末だけ。もちろん、天気の悪い日もあり、作業が順調に進んだわけではありません。それでも、それぞれグラウンドには思い入れがあるんですよね。すでに卒団しましたが、私も息子がチームOBなので思い出のある場所。なんとか野球ができる状態に戻そうと、皆さん一生懸命に作業してくださいました」
折しも、佐賀県には8月27日からまん延防止等重点措置が実施され、チームの活動は一時休止。子どもたちは基礎体力のアップなど、グラウンド外でできるトレーニングに励んだ。この間、復旧作業は着々と進み、まん延防止等重点措置が解除された後の9月15日、晴れてグラウンド練習再開にこぎ着けた。
「本当に皆さん頑張ってくださいました。これまで川が氾濫するのは10年に1度だと言われていたのが、ここ4年ほどで3回も氾濫して……。それなりの心積もりはしていましたが、今回はひどかったです。それでもまた、グラウンドに子どもたちが楽しく野球をする声が響くと、チームで力を合わせた甲斐があったと思いますね」