「性格」と「保護者」で選手の将来が見える…強豪シニア監督が考える“成功の条件”

OBの楽天・鈴木大地は7年連続で特注の上着をプレゼント

 一方、高校や大学で活躍している選手は「人が嫌がることをやっている」という。富士山のふもとにある裾野市は、温暖な静岡県であっても冬の寒さが厳しい。そこで練習後にベースを水で洗ったり、グラウンド整備をしたりするのは気が進まない作業だが、高校以降に伸びる選手は率先して動くことが多いという。

 指揮官は「普段の行動を見ていると、選手の将来がイメージできます。主力でもおごらず『試合に出ているかいないかは、チーム内の上下関係ではない』と理解できている選手は、高校に行っても大丈夫だと感じます」と語った。

 プロに進んだ3人の選手も、中心選手でありながら謙虚だったという。佐藤監督は「選手本人もですが、親御さんも控えめでした。小さい時から、親御さんの言動を見てきたからだと思います」と振り返る。子どもにとって一番身近な大人は親。影響は小さくない。

 楽天の鈴木はリーグを代表する選手となった今でも、周囲への気配りを忘れない。チームが日本リトルシニア野球全国選抜大会出場を決めると毎年、左腕に「大地7」と自身の名前と背番号を入れた特注の上着を全選手、スタッフにプレゼントしている。佐藤監督は「選抜大会には7年連続で出場していますし、毎年1学年20~30人前後の選手がいるので相当な金額だと思います。本当にうれしくて、選手たちは上着を着られるのを楽しみにしています」と頭を下げる。新型コロナウイルス感染拡大前は、1月2日に行われている新年恒例の初打ちにも毎年、参加していた。

 甲子園でプレーしたり、プロに進んだりする選手の野球技術が高いのは言うまでもない。ただ、将来大きな花を咲かせる選手には、技術以外にも成功の理由がある。

(間淳 / Jun Aida)

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