“負のイメージ”で普及しない少年野球でのサングラス着用 病気や怪我のリスク軽減も
日米で活躍した川崎宗則さんが推奨「早い段階からつけるべき」
体を守る効果があると訴えても“負のイメージ”が根強く、少年野球や中学・高校野球では、なかなか定着しない。米国製の高性能スポーツサングラスの販売代理店は練習や試合でのサングラス着用を推奨しているが、ハードルの高さを感じている。日米で活躍した川崎宗則さんも「健康にいいので、早い段階からつけるべき」と呼びかけるサングラスには、目の病気や怪我のリスクを軽減する効果があるという。
野球用品は改良が重ねられ、ひと昔前は目にしなかった用具が育成世代にも導入されている。プロ野球では一般的な肘やすねを守る打撃用のプロテクターは少年野球にも普及し、フェースガード付きのヘルメットは今年の選抜高校野球大会から使用が認められた。
安全性を高める用具が次々に取り入れられる中、小中高校生に広がっていないのがスポーツサングラスだ。日差しの強い球場でプレーする機会が多いメジャーリーガーがつけている姿は日本人にもなじみがあり、最近では日本のプロ野球でも着用する選手が増えている。日米で活躍した川崎宗則さんは「目が疲れず、翌日のリカバリーにもつながって健康面にいいので、早い段階からつけて目を守ってほしいです」とサングラスの重要性を強調する。
米国製の高性能サングラス「ESS」の販売代理店である「ノーベルアームズ」の黒須俊彦次長も、少年野球から導入する必要性を訴えている。野球は朝から夕方まで丸一日、屋外で体を動かすケースが多いため「紫外線を浴びすぎると眼の疲労に加えて、脳から活性酸素が大量に分泌され疲労感が大きくなります。紫外線が原因の1つである白内障は若年化が進んでいます。年々強くなっていく紫外線を浴び続ければ、10年、20年後に目の病気を患うリスクが高まります」と危機感を口にする。実際、気象庁の調査では1990年以降、10年に4.1%の割合で紫外線量は増えている。