“未来の球児”も「見てほしい」 東京で人気の応援番組MCが伝えたい「目標」の大切さ
J:COMなどで人気のダイジェスト番組MC・豊嶋彬さんが語る高校野球の魅力
今年も暑い夏がやって来る。第104回全国高等学校野球選手権大会の東西・東京大会が9日に開幕し、10日から1回戦が始まる。東京の球児たちを応援するため、今年もJ:COMなど東京都内ケーブルテレビで試合中継とダイジェスト番組が放送となる。2014年から番組MCを務める豊嶋彬さんは小・中学校まで軟式野球をした経験者。学童野球などで楽しむ“未来の球児”や保護者にも番組を通じて、見て欲しい球児の背中がある。
甲子園出場だけではない無数のドラマが高校野球には存在する。2014年から番組に携わる豊嶋さんは選手たちの汗と涙だけではなく、幾つものストーリーを見てきた。「多くの選手の目標は甲子園だと思うのですが、人それぞれ、向かうところは違います。目指すものがあるからこそ、こういった素晴らしい大会、試合が高校野球で生まれるのだと思います」と目を輝かせる。
中継では1回戦から無名校や公立校などの試合を中継する。中には連合チームで参加したり、外国籍の選手がいたりする。彼らにも「目標」はある。
「昨年夏の東東京大会で、東南アジアからの選手がある試合で最後の打者になったのですが、バットに当たる気配がないまま、空振り三振に倒れました。監督さんに聞いたら母国で日本の高校野球への憧れを持ち、やってきたそうです。野球経験もない中、学校で野球部に入部し、最後の打席に立った。それだけでもとても大きなことだと思いました」
勝ち負けでは測ることができない強い思いが1試合にはある。小さい頃から甲子園を目指し戦ったが、最後の夏はスタンドでの応援に回る選手もいる。その選手がどんな思いで仲間に声援を送っているのか、ベンチの選手たちや保護者らとどのように一体となって野球をやっているのかを感じ取る。それを“取材”し、番組でファンに届けてきた。
「ありがたいことに試合へ行くと野球部員もマネジャー、お父さん、お母さんが本当の友達のように声をかけてくれます。汗びっしょりの僕に冷たいお茶をくれたり、塩分の入った飴をくれたりとみんな家族のようです。東京の学校の皆さん、優しいですよ」