一般入試で入学→4年で初スタメン、レギュラー奪取 慶大監督のチャンスの掴み方

技術磨いたトスバッティング 指導者になっても重要視

 朝早くから夜遅くまでバットを振り続けた堀井監督は、着実に強いスイングを身に付けていった。左打者に転向して約10か月の2年夏にはレギュラーをつかんだ。人の何倍もスイング量をこなした堀井監督だが、当時の監督からは「トスバッティングだけは、しっかりやるように」と言われていた。様々なコースや高さのボールをバットの芯に当てて、ワンバウンドで投手に返す。バットコントロールを磨く練習を大切にし「トスバッティングの先にフリー、試合があります。選手を指導する立場になっても大事にしている練習です」と語る。

 目標としていた甲子園出場は果たせず、堀井監督は一般入試で慶大に入学した。入学式を終えてから野球部に入部。名門大学の壁は厚く、3年生までに公式戦の出場は代打での2打席だけだった。それでも、バットを振り続け、チャンスを待った。

 4年春のリーグ戦で、ついにスタメンの機会が訪れる。立大戦に代打で安打を放つと、リーグ戦最終戦となった早大との3回戦で先発に名を連ねた。第1打席。走者を一、二塁に置いた場面で、右翼手の頭上を越す二塁打を放ち2打点を挙げた。ところが、次の打席は相手が左投手に代わったため、右の代打を送られて交代。先発出場しても、適時打を放っても、代打と同じ1度しか打席に立てなかった。

 堀井監督は決して腐らない。誰よりもバットを振り、普段の練習や練習試合でアピールを続ける。そして、大学最後となる4年秋のリーグ戦で、外野の定位置をつかみ取った。

「スタメンは難しいと考えて、代打で結果を出すために練習していました。監督は下級生を使いたいはずなのに、よく起用してくれたと思います」

授業の合間に球場で左の強打者を研究 オーラを学ぶ

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