一般入試で入学→4年で初スタメン、レギュラー奪取　慶大監督のチャンスの掴み方

授業の合間に球場で左の強打者を研究　オーラを学ぶ

　当時、練習以外で習慣にしていることがあった。授業がない時間に、東都大学野球連盟のリーグ戦を観戦した。左の強打者を研究するためだった。専大卒業後に広島へ入団した定岡徹久氏や、現在は専大の監督を務める齋藤正直氏らと自分を比較した。そして、強打者の共通点に気付いた。

「1年生から試合に出ているような打者は、堂々としているんです。ネクストから打席への向かい方、空振りをした後の仕草、サインを見る時の雰囲気。常に堂々としていないと、チームや監督の信頼を得られないと感じました」

　強打者にはオーラがあると知った堀井監督は、立ち居振る舞いをまねた。堂々と打席に向かい、空振りしても決して慌てない。雰囲気作りと練習の成果で少ないチャンスをものにして、大学の最後にはレギュラーを手にした。

「1回目のチャンスで結果を残せば、2回目のチャンスが来ます。そのチャンスを生かせば3回目があります。レギュラーをつかむために、1分の1のチャンスに向けて、しっかり準備することが大切です」

　飛距離を出せず左打者に転向した高校時代。一般入試から名門・慶大のレギュラーまで上りつめた大学生活。堀井監督の野球人生からは、チャンスをつかむ方法が見えてくる。

（間淳 / Jun Aida）