大事なことは「野球以外の時間を確保」 子どもを伸ばす“週末4時間”の育成法
戦術に時間を割かず 将来見据えて体の使い方を重視した練習
体の使い方を重視した練習もチームの特徴。バントやエンドラン、クイックといった指導には時間を割かない。試合に勝つことよりも、中学や高校で成長できる基礎を身に付けることを目的にしているためだ。ウォーミングアップではコーディネーショントレーニングを取り入れたり、ダッシュのメニューにバリエーションを付けて瞬発力を鍛えたりしている。
後藤監督は小学生の年代で身に付けるべき技術は、投げ方と捕り方にあると考えている。スローイングに特化した練習では、まず肩や肘に負担がかからないトップの位置を指導。その後はスナップスロー、ジャンピングスロー、ランニングスローと、あらゆる投げ方ができるように体の使い方を覚えさせる。
捕り方は基本的なハンドリングの反復練習から、ハーフバウンドや逆シングルの捕球まで、柔らかいグラブさばきの習得を意識させている。逆シングルで捕球してジャンピングスローで一塁に送球するなど、少年野球では敬遠されがちな動きをシートノックや試合で子どもたちに勧める。後藤監督は「小学生のうちに、動きのバリエーションを増やしてほしいと思っています。また、中学、高校とカテゴリーが上がっていくと失敗を恐れがちになるので、今のうちに色んな動きにチャレンジできる環境をつくっています」と意図を説明する。
大会の優勝を目指して、土日にみっちり練習するチームを希望する親子もいる。一方、倉敷ジュニアリバティーズは野球以外の時間を確保し、育成を重視する。正解は1つではない。だからこそ、選択肢となる”異色のチーム”の存在は不可欠となる。
(Full-Count編集部)
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