「化けたいんです」G.G.佐藤氏を“ムキムキ”に…オリ杉本も指導、成功者の共通点は?

オリ杉本は2018年オフから門下生…「鬼ダウンスイング」で開花

 昨シーズン本塁打王に輝いた杉本も同じだ。2015年にJR西日本からドラフト10位でオリックスから指名を受けて入団も、3年間で1軍出場は17試合にとどまり3本塁打。即戦力として期待される社会人出身選手としては、いつ戦力外になってもおかしくない状況に覚悟を決め、2018年オフに根鈴道場の門を叩いた。

 根鈴さんが提唱する理論「鬼ダウンスイング」で、打撃フォームの大幅改造に着手した。鬼ダウンスイングは、バットのヘッドを下げてバットを縦に使って投球を捉える。横にスイングする“打撃の常識”を覆す考え方だ。批判的な意見も少なくない中、杉本は根鈴さんを信じてフォームを作り直した。そして、道場に通って3年目の昨シーズン、32本塁打でタイトルを獲得した。

「打撃フォームもウエートトレーニングも、全ての人に同じように合うわけではありません。ただ、継続しなければ、合っているかどうか判断できません。インストラクターの教えはきっかけに過ぎません。試して考えて、自分なりのやり方を見つけるくらい研究しなければ、高いレベルには到達できないと思います」

 根鈴さんは今、小学生や中学生にも指導しているが、すぐに結果が出るほど野球は簡単ではないと伝えている。「ウエートも打撃理論も私のやり方が珍しいので、飛びついてくる人は少なくありません。ただ、石の上にも3年なんです」。少年野球の子どもたちが憧れるプロ野球選手も、華やかさの裏で地道な努力を重ねている。

(間淳 / Jun Aida)

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