「僕の中では限界かな」 NPB復帰を目指した元阪神・伊藤隼太が迎えた“1つの区切り”
ドラ1入団、阪神での日々は「自分の中でかけがえのない財産」
愛媛入団当初からSNSなどを通して、チームの情報を積極的に発信してきた伊藤。さらには、昨年のハロウィンに縦縞のユニフォームを着用した「コスプレ」を披露し、2軍の春季キャンプへ足を運ぶなど、古巣・阪神への想いも強い。今年6月には甲子園で1軍の試合を観戦。たった2年前まで一緒に練習していた選手たちが、とても輝いて見え、距離感すら抱いてしまったという。「いつぶりですかね、(甲子園で)プレーしたのは……」と在りし日を思い出していた。
伝統の縦縞に袖を通し、ドラフト1位の重圧を背負った9年間は、ファンから厳しい言葉で叱咤激励を受けることも多く、「グラウンドに出るのが嫌だって時もありました」と当時の心境を吐露。しかし、独立リーグに身を投じたことで考え方も変わった。
「ファンの方たちが支えてくれて、ああいう(選手が輝く)場を作ってくれてると感じられた。(NPBにいた時は)そういう感謝の気持は感じられなかったですけど、今はやっぱりありがたい空間、環境でやらせてもらってたんだなって。自分の中でかけがえのない財産になっていますし、とても良い経験でした」と阪神ファンへ感謝を口にした。
現役引退については「うーん。でも、まだ分かんないですよ。気持ちが変わるかもしれないので」と明言を避けた。ユニフォームを脱ぐかは未定だが、NPB復帰への苦難の道のりには、一度、終止符を打つ。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)