少年野球での叱り方と褒め方、実は同じ? 専門家が重視する“2つのポイント”
選手に振り返りの習慣をつけるプロセスを意識した叱り方
――他にも子どもを叱る際の注意点はありますか?
もう1つ大事なのは、「打てなかった」「エラーした」というように、上手くいかなかった結果を指摘するのではなく、やらなかったプロセスを叱ることです。「お母さんが怒っているのは何でだと思う?」と子どもに聞いて「エラーして負けたからでしょ」と返ってきたら、「エラーした後の態度が悪かったから」「普段できるベースカバーで手を抜いたから」とプロセスを意識させる叱り方を心がけてみてください。最終的には他者から叱られても叱られなくても、子どもには自分のやったことを振り返る習慣が付きます。これが大事です。
――試合や打席の結果について叱る指導者や保護者は少なくありません。結果に対する指摘は、子どもたちのためにはならないのでしょうか?
試合に勝つ、打席で安打を放つといった結果は、どんなに頑張っても成果を出せない時があります。勝負事はベストを尽くしても相手が上なら、負けてしまうからです。それに、負けた、打てなかったという事実は叱られなくても、子ども自身が理解しています。大人は結果を叱るのではなく、自分ができることをやっていたかどうかを子どもに気付かせる役割が求められています。
――叱り方に加えて、子どもたちの褒め方が難しいと感じている少年野球の指導者や保護者もいます。子どもを褒める時は、どんな点を意識すると良いですか?
褒める時も叱る時と同じように、「○○くんより打てたね」と他の子と比べるのではなく、「前の試合よりも、打球が遠くに飛んだね」というように個人内の比較で褒める方がいいことが多いです。子どもの意識が自分の中での比較や成長に目を向けられるように、周りの大人が声掛けできるといいですね。また、何かができたから良かったというよりも、やろうとしていた点を褒めることも大切です。これも叱り方と共通していますね。