監督やコーチに「ハイしか言えない」 異色の指導者が反面教師にする“昔のやり方”

野球塾を運営する長坂秀樹さん【写真:伊藤賢汰】
野球塾を運営する長坂秀樹さん【写真:伊藤賢汰】

ゴロを体で止めるは正解? 子どもたちの疑問に理由を説明

 長坂さんは、傾斜のあるマウンドからの投球に対して最もバットに当たる確率が高いスイングの軌道を子どもたちに指導する。理想は、投球の軌道と平行になるレベルスイングと考えている。

 しかし、子どもたちは所属するチームで「上からボールを叩け」と指導されるケースがある。長坂さんは子どもたちに「なぜ、上から叩くのか質問してごらん」と言うと「聞けないです。上から叩くスイングをしないと怒られます」と返答するという。長坂さんの話に納得し、教わったスイングでチームでも練習したいのに許されないのだ。しかも、理由の説明がない。

 ゴロの捕球でも同じ。長坂さんは内野手をしていた小学生の頃に「ゴロは体で止める」と教わった。だが、選手として経験を積む中で疑問を抱き、今は子どもたちに、こう投げかける。

「守備の答えは何?」
「打球は怖くない?」

 子どもたちは答える。

「アウトを取ること」
「顔や体に当たりそうで怖い」

「狙いを理解して練習すれば、子どもたちは上手くなる」

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