牧田和久は「大きな影響を与えた」 台湾で奮闘する元虎コーチが語る“お手本”
7割の失敗の中身を重視、後期は意識面にも変化が…
3割打てば一流と言われる野球界。ただ平野コーチは就任直後から「3割を10割にしようとするから調子の波が出てくる」との考えから、全体の7割を占める失敗の中身を重視するよう求めたという。そして、後期のチームの好調ぶりについて、前期から求めてきたこれらの意識面の変化も理由に挙げた。
「前半教育していたことが、後半は教育じゃなくて答え合わせできてたからよかったのかな。選手たちが変わってきてくれたっていうか、失敗のほうを見てくれるようになった。後半は何かいいところを探しながら帰ってきてくれた選手が多かった。選手たちも逆に言ってくるわけです。例えば、アウトになってベンチに帰ってきても、『負けてないっすよね』って言ってくれる。そうそう、それだよって」
意識面、野球への取り組み方という点においては、途中退団となった牧田和久投手への言及もあった。
「年齢的に厳しいんじゃないかという声もあるなか、監督は『いい刺激になる。台湾人ピッチャーのいい教育にもなる』と言っていた。彼は違う球場に行くと、必ずホームからずっとゴロを転がして、バントの転がり方をチェックしていますよね。マウンド行ってフィーリングを真似して、足場を確認しています。いろんな作業しているんですよ。それを何人見てくれたか。試合ではなかなか結果が出なかったですけど、チームに大きな影響を与えたんじゃないかな」
優勝パレード当日、林威助監督は「平野コーチには来季も残ってもらうことになるだろう」と述べた。来季は各チームが3連覇を阻止しようと立ち向かってくることが予想されるなか、平野コーチは選手たちに、外野に加え、内野でも「競争」をつくると明言したという。すると、選手たちは「どこにライバルがいるんだ。つくってみろ。台湾にいなければ海外から集めてこい」と「反発」、勝てば勝つほど自信をつけた選手たちの思わぬ反応に、頼もしさを感じたという。平野コーチは、来季の方針、抱負についても以下のように語った。