ボンズ&クレメンス氏の落選で浮き彫りに 野球人としての人格に付き続ける“疑義”
ボンズ氏に付きまとう、疑義などを示す記述符号「*」
2004年4月13日、ウィリー・メイズを抜く通算661号を放ち、歴代3位に浮上したが、その直前に出たスポーツ・イラストレイテッド誌の表紙になった顔には「*」が付けられていた。「*」は疑義や注釈などを示す記述符号「アステリスク」で、バリー・ボンズがこの先も本塁打を積み重ねて、ベーブ・ルース、ハンク・アーロンを抜き歴代1位の最多本塁打記録を樹立したとしても、ステロイド疑惑からコメ粒のようなアステリスクマークが付くというメッセージが込められている。
あれから18年――。歴代1位の記録は認められても、バリー・ボンズ氏の米野球殿堂入りには、野球人としての人格にも「*」が付けられたということか。
今回の選考では、禁止薬物使用で出場停止処分を受けた通算3000本安打&500本塁打のラファエル・パルメイロ氏、過去に差別的な発言が問題視された通算216勝、2度の最多勝利&最多奪三振とワールドシリーズMVPを獲得しているカート・シリング氏も選出されなかった。
アイドルソン前館長の「球界の顔に泥を塗る」が重く響く――。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)