保護者の当番制が「悪いとは感じていません」 野球ママが感じた「楽しさや充実感」

午後9時に帰宅して翌朝4時起きの時も…保護者で苦労を共有して深まる絆

 保護者の役割は多岐に渡る。朝の弁当作りから始まって、グラウンドまでの送迎、指導者のお茶や昼ご飯の準備、練習のサポート。練習試合ではスコア付け、審判、アナウンスなど様々だ。強豪チームや専用グラウンドのないチームは県外への遠征も珍しくない。午前6時に集合して、帰宅は午後9時といった週末を過ごす時もある。

 渡邊さんも、ほとんど睡眠を取れないままグラウンドに行ったことがあった。それでも、「自分が子どもを送って行けない日は、他の保護者にお任せしなければ練習や試合を休ませるしかありませんでした」と周りに助けられたケースも多かった。そして、保護者同士で苦労を共有できるからこそ、絆が生まれたという。

「子どもの練習を見たい、サポートをしたい親もいます。親が部活に入っている感覚でしたが、子どもとの関係も保護者の関係も良い意味で密になります。経験者としては、当番制が一概に悪いとは感じていません」

 苦労を共にした保護者の中には、家族同然の付き合いになったママ友もいる。実際、現在展開しているアスリートの体づくりを食でサポートする事業でも、中本牧シニアで知り合ったママ友の支えが大きい。

 子どもが野球をする環境を整えるには、程度の差はあるが保護者のサポートは不可欠となる。「当番制は強制すれば負担に感じる人がいる一方で、全てを否定するのも疑問です。チームの考え方を理解した上でチームを選ぶことが重要だと思います」と渡邊さん。プレーするのは子どもたちだが、求められる役割を保護者が見誤らないこともチーム選びで大切になる。

(間淳 / Jun Aida)

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