学ばない指導者は時代に取り残される 千賀ら育てた鷹の名コーチが米国修行で得た収穫
昨季まで13年間ソフトバンクでコーチ 倉野信次氏は米国で指導学ぶ
学ばない指導者は時代から取り残される。ソフトバンクで投手コーチを13年間務めた倉野信次さんは、メッツへの移籍が決まった千賀滉大投手らを指導した。昨シーズン限りで球団を離れると、昨年10月までMLBレンジャーズ傘下のマイナーリーグでコーチ修行。確固たる地位を捨て、家族も残して自費で渡米した理由は危機感と向上心だった。
ソフトバンクに慰留されながら、倉野さんは昨シーズン限りで投手コーチを退いた。自身が掲げる目標に向け、3年前から決めていた計画を実行する時が来た。
「コーチは自分が成績を出すわけではないので基準はありませんが、日本で一番の投手コーチになりたい目標を持っています。そうなった時に、世界で最もレベルの高い米国の野球を知らなければいけないと考えていました」
ソフトバンクで13年間コーチを務め、千賀をはじめとする若手投手陣の才能を開花させた。実績を積み上げ、倉野さんは確固たる地位を築いた。しかし、ある危機感が芽生えていた。
「今の時代は子どもたちでもスマートフォン1つで、メジャーリーグの情報を自由に見ることができます。選手にどんどん知識が増えていく中で、指導者も学ばなければ選手を納得させる指導はできません」