審判から注意され3日でフォーム変更も… リズム感の調整で対応した選抜V投手の工夫

「ポーン」から「ポーーーン」へ…リズムをキープした

 しかし、下窪さんは冷静だった。1失点完投勝利で乗り越えた1回戦から2回戦までの中3日で、1段モーションへのアジャストに努めた。

「2段モーションだと『ポーン、ポーン』っていうゆったりしたリズムで、左足をマウンドに着けていけるけれど、1段モーションだと『ポーン』だけで着くことになる。だから『ポーーーン』って伸ばす必要がありました」

 投球リズムを変えないようにするために、左足をそれまでよりゆっくり、そして高く上げる1段モーションへと修正。それが見事にはまった。

 急造フォームで臨んだ滝川二戦が結果的にベストピッチとなり、そのフォームのまま春の頂点へと駆け上がったのだから、人生はどう転ぶか分からない。

(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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