「40、50発の力がある」 日ハムに“大化け”候補…OBが断言「清宮より打てる」
「新しい金村」の先発入りで生まれる2次効果…クローザーならさらに化けるのは?
野手に比べれば充実しているという投手陣でキーマンとなりそうなのが、ルーキーの金村尚真投手(富士大)だ。かつてのエースだった金村暁氏(前阪神コーチ)が頭にあるのか「新しい金村」と呼ぶ田中氏は「豊富な球種やボールのキレもそうですが、プロのストライクゾーンに対してもコントロールがすばらしい。先発に入ってくるのではないかと思います」とべた褒めだ。「プロの壁に当たったときにどうなるか」という課題はあるものの、現状の完成度の高さは十分1軍レベルだ。
先発には昨季、四球を与えないことで話題となった加藤貴之投手や、オフのメジャー挑戦を希望している上沢直之投手、WBCでも活躍した伊藤大海投手と、実績ある名前が並ぶ。さらに田中氏が「若いのにピッチングがうまい」と評する根本悠楓投手ら若手もいる。ここに金村も入ってくると、副産物が予想される。先発と比べて穴になっているリリーフ、特にクローザーに、先発から人を回す余裕が生まれるのだ。
田中氏はクローザー候補に「僕はポンセがいいと思うんですよ」と2年目の助っ人を推す。昨季は14試合に投げ3勝5敗、防御率3.35。8月27日のソフトバンク戦ではノーヒットノーランも達成した。援護に恵まれないこのチームではそこそこの成績を残したと言えるが、田中氏は「抑えは勢いで抑えられる投手がいい。ポンセは160キロ近いボールもある。昨季序盤、2軍で投げているのを見た時は全然だなと思ったけど、1軍に行ったら別人。球は速いし、コントロールもビタビタになっていた」と別の適性を見ている。
それでも、他球団と比較した時に上位にまでは予想しづらい。「去年の成績を見れば、今年優勝争いをできるという年ではない。あと2、3年はかかる。最下位と予想せざるを得ませんね……」という田中氏も「OBとしては、覆して優勝してほしいです」と本音もチラリ。「江越が大化けするとか、清宮や万波が打線を引っ張るところまで行くとか、ないとは言えないじゃないですか」。名前の上がった3人のキーマンがプラスアルファを積み重ねれば、田中氏の苦渋の予想もひっくり返せるかもしれない。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)