選抜準優勝も「一番悔しい大会」 2カ月間姿を消したエース…“沈黙”の中で得たもの

報徳学園・盛田智矢【写真:橋本健吾】
報徳学園・盛田智矢【写真:橋本健吾】

選抜準優勝の報徳学園…エースの盛田智矢は選抜以降ベンチ外が続いた

 第105回全国高校選手権出場をかけた兵庫大会は7月1日に開幕する。今春の選抜大会で準優勝の報徳学園は7月13日に初戦(小野工vs加古川西の勝者)を迎える。5年ぶり夏の聖地へ、誰よりも強い思いで臨むのが盛田智矢投手(3年)だ。“屈辱の春”から復活を目指す右腕の現在地に迫った。

 選抜大会を最後に、エースは消えた。優勝した春の県大会、初戦敗退の近畿大会ではいずれもベンチ外。練習試合での登板もなかった。

 昨秋の近畿大会準優勝に大きく貢献した右腕。屈指の好投手として評価されて臨んだ選抜大会だったが、本来の投球ができなかった。

 健大高崎(群馬)との初戦は8回6安打2失点。続く東邦(愛知)戦は3番手で2回を1安打無失点と好投した。しかし、昨夏の全国王者・仙台育英(宮城)との準々決勝では7回から登板し、1回0/3で2四球を与えて降板。先発した大阪桐蔭との準決勝は3回2/3を2安打3四死球4失点で降板した。

 実は大会前からコンディション不良。本来の投球フォームを見失っていた。「本調子ではない中でも試合を作るのがエース」。責任感の強い右腕はマウンドに上がったが、全国舞台は甘くなかった。

 大谷智久投手(現ロッテ2軍チーフ投手コーチ)を擁して優勝した2002年大会以来、21年ぶり優勝を目指した山梨学院との決勝戦は最後まで出番がなく、敗戦を見届けた。ブルペン投球でアピールを続けたが「全然ストライクが入らなかった。最後なので行きたい気持ちは強かったですけど、客観的に見ても『どうなるか分からない』投手は投げさせられない。何も貢献できませんでした」と振り返る。

6月10日の享栄との練習試合で実戦復帰…1イニングを1安打無失点

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