角中&唐川の引退試合に「これは行かねば!」 古巣本拠地で身に染みたありがたみ|荻野貴司のチェコ通信~Hra!~#10
ドラツィ・ドラゴンのマスクを被る息子とパシャリ 【写真:本人提供】荻野貴司が届ける連載・第10回…チェコでの1年を総括「来てよかった!」
9月最後の週末にベースボール・チャンピオンズリーグ・ヨーロッパ(BCL)決勝トーナメントが行われ、荻野貴司外野手が所属するドラツィ・ブルノでの1年が終わった。ロッテを退団したのは、ちょうど1年前。当時は想像すらしていなかったチェコ・エクストラリーガでの経験は、長いキャリアの中でも際立ったものになったようだ。
「荻野貴司のチェコ通信~Hra!(フラ!)~」第10回は、あっという間だったというブルノでの半年を振り返りながら、10月2日、3日に行われた大切な仲間の引退試合。そして戦力外通告に対する率直な想いを綴った。
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日本の皆さん、こんにちは! 9月26、27日にBCL決勝トーナメントが開催され、僕たちドラツィ・ブルノは3位となりました。残念ながら準決勝でオランダ代表のキュラソー・ネプチューンズ・ロッテルダムに敗れ、優勝こそ逃しましたが、3位決定戦ではスペイン代表のテネリフェ・マーリンズに勝利。2026年最後の試合を白星で飾れたことは良かったと思います。
この大会をもって、僕の2026年シーズンが終了しました。3月にチェコへやってきてから、あっという間の半年でした。初めての海外生活。言葉も文化もわからないチェコへ来て、一体どうなることかと思いましたが、今言えるのは「チェコに来て良かった!」ということ。本当に素晴らしい経験になっています。そう思えているのも、家族をはじめ周囲のサポートがあったおかげです。
僕にとって一番大きかったのは、やはり家族が一緒にチェコまで来てくれたことです。おかげで孤独感はなかったですし、日本に帰りたいという気持ちも湧きませんでした。何より、妻も息子もチェコに慣れるどころか、チェコでの生活を大好きになってくれたことが良かった! 本当はシーズン終了後すぐにみんなで帰国するつもりでしたが、息子の学校もあるので滞在を延長したほどです。
現役選手として野球を続けながら、息子と一緒に多くの時間を過ごせたことにも感謝しています。日本ではオフシーズンくらいしか、まともに相手をすることができませんでした。でも、チェコでは朝は必ず学校まで送り届け、練習が夕方から始まる日は学校まで迎えに行ったり。息子の成長する姿をちゃんと見ることができ、うれしかったですね。
周囲のサポートのおかげでチェコを楽しめたと感謝 【写真:本人提供】チェコで得た周囲からのサポートとかけがえのない友情
チェコでは新しい出会いも数多くありました。国立ブルノ・フィルハーモーニー管弦楽団のバイオリニスト・後藤博亮さん、ブルノ国立劇場管弦楽団のチェリスト・三河慶史郎さんと知り合ったことで、今まで触れることのなかったクラシック音楽を身近に感じるようになったり、ジャパンデーにはロッテ時代の応援歌を演奏していただいたり。オギ散歩inチェコでも参加者の皆さんを素晴らしい演奏で迎えて下さいました。
家族ぐるみで付き合う親友もできました。仲良くなるきっかけは、ドラツィの開幕戦にマサリク大学に通う日本人学生がみんなで応援に来てくれたことでした。この時の参加者の一人が「困ったことがあればいつでも」と妻に連絡先を渡してくれたことから仲良くなりました。互いの家で食事を一緒にしたり、僕はギターを教えてもらったり。シーズン途中に引っ越しをした時も、この親友の家の近くを選んだほどです。
これまでもお伝えしてきた通り、チェコではいろいろな気づきがありました。舞台がどこに変わろうとも、野球の試合となれば勝ちたいし、負けると悔しい。チームのために活躍したいし、できなければ悔しい。野球に対する僕の気持ちは、日本にいる時と何一つ変わらなかったのです。
チェコではビールは欠かせないアイテムに? 【写真:本人提供】練習帰りにブラリと1杯…「今日もビール?」
野球を離れた日常生活で言えば、チェコの人々はのんびりと自分のペースで人生を楽しんでいる印象を受けました。仕事と生活のメリハリをつけるのが、すごく上手だなと。お酒が強い人が多いのか、平日のランチから外でビールを飲む人が多かったことには驚きましたが(笑)、それもチェコ流。僕自身、日本では時間に追われていた感覚があったので、新しい価値観に出会えたことは大きかったです。
僕も、普段は球場までコーチが車で送り迎えをしてくれたのですが、時々家まで歩いて帰るようにしていました。帰り道、一人でブラブラと歩きながら途中でバーに立ち寄って、ビールを飲むのが好きでした。徐々に店員さんも顔を覚えてくれて「今日もビール?」みたいなコミュニケーションも生まれたり(笑)。日本ではなかなかできない経験でしたね。
チェコではプラハに続く第2の都市でもあるブルノですが、とてものどかな街で夜10時以降はレストランがほとんど閉まってしまうので、「小腹が空いたからラーメンでも……」という感覚でちょっと寄れる場所がない。あるとしたらケバブ屋さんくらいです。おかげで夜のドカ食いがなくなり、気がつけば体重が7キロ減って、体調自体は良かったです。
角中、唐川の引退試合にあわせて緊急帰国
すっかりチェコ流に染まっていましたが、先日、日本に一時帰国しました。そもそも僕がアンバサダーを務めるOGI FARM恒例の芋掘りイベントに参加するため、10月中旬には帰国する予定でしたが、僕にとって大切な仲間でもあるカク(角中勝也)とユウキ(唐川侑己)の引退試合が10月2日と3日にあると知り、これは行かなければ! と。
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