学童野球で賛否分かれる“盗塁問題” 元プロの指導者が危惧する本質なき“配慮”

兵庫・明石ボーイズJr.の筧裕次郎総監督【写真:橋本健吾】
兵庫・明石ボーイズJr.の筧裕次郎総監督【写真:橋本健吾】

兵庫・明石ボーイズJr.の筧総監督「禁止にするのは違うと思う」

 野球を始めたばかりの少年少女の多くは軟式からスタートする。硬式球と違い、素材がゴム製の軟式球は高くバウンドするなど様々な特徴がある。兵庫・明石ボーイズJr.の筧裕次郎総監督は「軟式特有の指導をすることはない」と断言する。

 近年、学童野球で賛否が分かれるのが「盗塁問題」だ。体が未発達の小学生低学年は二塁へ強い送球ができない場合が多い。そこに付け込み攻撃側が盗塁を多用し、ワンサイドゲームになってしまう場合もある。

「出塁すると自動的に“二盗”になるという意見は分かります。ですが、僕は禁止にするというのは違うと思います。あれはダメ、これはダメになると野球じゃなくなる」

 そう語るのは2002年夏に「4番・捕手」として明徳義塾を初の甲子園優勝に導き、近鉄、オリックスでプレーした筧総監督だ。盗塁を阻止するのは捕手の肩の強さだけでなく、投手のクイックや牽制、野手のタッチ技術など共同作業で生まれるものだ。

カウント1-1から始まる大会も「球数を気にするならイニングを減らしましょう」

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