中3で最速141キロ、ポニーの逸材は鷹・東浜の親戚 雨中で衝撃投球…日本代表に選出
宜野湾ポニーズの東濱成和…雨天の日本代表選考会で140キロ台を連発した
日本ポニーベースボール協会(ポニーリーグ)は「広澤克実杯全日本地域対抗選手権大会兼ポニー・コルト日本代表選手選考会」を13、14日に佐賀・武雄市などで開催した。あいにくの雨となった初日、長崎ビッグNスタジアムが驚きに包まれた瞬間があった。ポニー沖縄選抜とポニー新規加盟連合による試合で、スタジアムに「141km」と球速表示された。雨にぬかるむマウンドから剛速球を投げ込んだのは、沖縄選抜の右腕・東濱成和(せいわ)投手(宜野湾ポニーズ)だ。
身長179センチ、体重68キロの長身を生かした、ダイナミックかつしなやかなフォームが特徴。打者から見ると2階から投げ下ろすような角度ある速球に加え、カーブとスライダーを操る。この日は1点リードの4回から2番手としてマウンドに上がり、大粒の雨が降りしきる中、いきなり137キロ、138キロを連発した。
135キロを超えれば「剛腕」と呼ばれる中学生野球の常識を、いとも簡単に超えてしまった。5回には140キロを表示させると、ついには自身最速タイの141キロにも到達。帽子のつばから大粒の水しぶきを飛ばしながら投げる姿に、対戦経験のある九州地区の選手は「横から見ても速いけど、打席に立つともっと速く見えるんです」とポツリ。大会関係者の大人たちも驚嘆の声を上げるしかなかった。
だが、その5回。味方失策や盗塁などで1死三塁とした場面で才田凱斗(関メディベースボール学院)に右中間を抜ける三塁打を許し、中継プレーが乱れる間に打者走者もホームイン。2点を失い、逆転を許してしまった。試合後、東濱はこの場面を振り返り、「あの1球が……。長打も単打も打てるいい打者だと分かっていたので変化球でいくと決めていたのに、自分の勝ちたい気持ちと変なプライドが出てしまい、真っ直ぐを投げたら打たれてしまいました。悔いが残ります」とうなだれた。