なぜ今…フォーム変化は5月、菊池雄星の不正投球宣告に見る曖昧な判断基準

西武・菊池雄星【写真:編集部】
西武・菊池雄星【写真:編集部】

シーズン終盤での不正投球宣告、佐藤塁審「4月からの映像を見ていますし、昔から思っていました」

 西武・菊池雄星投手の不正投球問題が物議を醸している。17日の楽天戦(メットライフ)で2球連続で二段モーションによる不正投球を宣告された左腕は、24日のソフトバンク戦(ヤフオクD)で投じた1球目でも、同様の不正投球を宣告された。

 これに対して、西武の辻発彦監督が怒りを露わにし、球団側は意見書を提出することにした。ファンの間でも、ある種の騒動となっている。この一連の流れ、一体どこに問題があるのだろうか。関係者の言葉から、それを検証してみたい。
 
 大前提として記しておきたいのは、菊池のフォームが二段モーションとして不正投球に該当することに対しては異論はない。実際に投球フォームを見れば、右足を引き上げる動きが二段になっているというのは、大多数の人が理解できる。これに対して審判が不正投球を宣告したことを否定するつもりはない。

 そこで浮かび上がってくる最大の問題は、なぜ今、シーズンも終盤に入ったこのタイミングで、突然、不正投球を取ったのか、ということではないだろうか。
 
 この日の責任審判だった佐藤一塁塁審は「4月からの映像を見ていますし、昔から思っていました。明らかに(フォームが)違う」と言う。確かにそれはその通りだ。開幕時と、今の菊池のフォームは変化している。

 今季の投球フォームを映像で振り返ってみると、開幕当時はフォームが止まったり、二段になるなどの動きはなく、一連の流れで投球動作を行なっている。もちろん審判団が直に投球をチェックしている春のキャンプも、このフォームということ。この段階では二段モーションには該当していない。

17日楽天戦では1球目ではなく、2回1死から不正投球宣告

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