イチローとロッド・カルー、2人が繋がったあの夏 今明かされる、知られざるストーリー
3000本を前にイチローがよすがとしたもの
尊敬する大打者の記録を超えた日、イチローは人を介してカルー氏から手紙を受け取ったことを明かしている。実は、介したのは担当記者だった。
2016年の7月だった。カルー氏から3000本到達を前に生みの苦しみを味わい出したイチローへ手紙を託された。その内容をイチローが明かすことはなかったが、異国から来たイチローの活躍を見守り続けていたカルー氏からの言葉がどれほどのものだったかは想像に難くない。
カルー氏からの手紙を手にしたイチローはその一か月後の8月7日、コロラドでメジャー通算3000本安打に到達する。
蒸し暑かったセントルイスでのあの日、クラブハウスを去る前にイチローはこう結んだ。
「人から聞かされていなかったら、僕から探す、気にする、追い求めるものではない。でも、それがロッド・カルーであったというのは聞いていたので。それが特別ということですね」