幼少期から際立った意志の強さ 恩師の語る鷹・尾形、土台を作った“研修所”
作文に記した夢「一流の野球選手になること」
尾形はかつてのチームメイトたちと思い出話に花を咲かせ、激励を受け、小野木さんの前でキャッチボールを披露した。この日のメインは餅つき。竹内さんの餅を返す合いの手に合わせて杵を何度も振り下ろし、できた餅に舌鼓を打った。その日、竹内さんは『夢』とタイトルが付いた作文を引っ張り出した。
『ぼくの夢は、一流の野球選手になることです。そのためには、高校までは体を大切にして、高校に入ったらしっかりとしたきつい練習などをしたいです。
高校に入るまでには、きその土台をきっちりかためて走るのも守るのも打つのもすべて今よりすごく上手になりたいです。
冬の今やるべきことは、下半身の筋肉をつけることと、ストレッチをして体をよく伸ばしておくことです。』(原文のまま)
書いたのは小学5年だった尾形少年。夢は「一流の野球選手」とある。育成選手を“卒業”し、新たな背番号「39」でそのスタートラインに立った今、10歳から成長を見てきた竹内さんはこうエールを送る。
「きっかけというのはどこにでも転がっています。それをきっかけとして捉えて発展させ、精進するのは本人以外の何者でもありません。これからも人や環境との出会いを真摯に受け止めて発展させ、精進していけば、夢は叶い、更に大きな夢を描くことになると思います。夢を叶え、その次の夢に期待しています」
小学5年で立てた夢。竹内さんはそこで歩みを止めず、「一流の野球選手」の先にどんな夢を持つのか、尾形が見据える未来を楽しみにしている。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)