無観客試合に“時短効果”あり? 過去のデータで紐解く試合時間の変化と傾向

観客動員が再開される7月10日以降にどんな変化が現れるか?

 このように、2011年と2012年の2シーズンに関しては明確に試合時間が短くなっていた。この2シーズンに関しては3時間半ルールと極端な投高打低の傾向の両方が合わさって試合時間の面でも確かな変化が生まれたと言えそう。

 また、試合時間が長くなっていた2019年は、リーグ全体の本塁打が増加したことに加え、ホールド数の増加にも目を向けたい。合計754個と2018年以前に比べて100個以上も増えており、それだけ各球団の投手交代が多かったということになる。投手交代には投球練習のインターバルが伴うため、平均試合時間の増加にも影響したと考えるのが自然だろう。

 ただ、同じく試合時間がやや長かった2013年と2014年に関しては、他の年に比べて大きな差が見られた箇所は見受けられなかった。単純な数字以外の面では、各チームの打撃成績が向上したことや、3時間半ルールの撤廃といった過去2年間と比較しての反動といった理由が考えられるだろうか。

 ここまでは試合時間が短くなっている今季。1日でも早くファンが球場に戻り、大歓声の中で選手がプレーする姿が再び見られることを願いたいところだが、観客動員が解禁された後に試合時間にどのような変化が生じるのかも興味深いシーズンとなりそうだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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