楽天で進化を見せる助っ人ロメロ 打撃指標や傾向から見える好調の要因とは?

ロメロが打順に9人並ぶと1イニングに1点以上入ることを指標が示す

 オリックス時代から優れた打撃内容を示していたロメロだが、やはり、OPS1.100を超える数字を残す今季の活躍ぶりは目を見張るものがある。今回は各種の指標や、コース別や球種別の成績、打球方向といった要素を基に、ロメロが今季見せている活躍の理由をより深く掘り下げていきたい。

 まずはセイバーメトリクスの分野で用いられる指標をもとにロメロの得点能力について評価していきたい。

 野手の得点能力を示す数値である「XR(eXtrapolated Runs)」、ある打者9名で打線を構成した場合、1試合平均で何点取れるかを示す「XR27」、打率よりも長打と四球の数を重視した指標であり、“第二の打率”とも呼ばれる「SecA(Secondary Average)」という3つの指標におけるロメロの成績はそれぞれ以下の通りとなっている。

ステフェン・ロメロの年度別打撃指標【表:パ・リーグ インサイト】
ステフェン・ロメロの年度別打撃指標【表:パ・リーグ インサイト】

 XRの計算には各種の安打数、四球、盗塁数といった積み上げ式の数字が多く用いられることもあり、出場試合数の少なかった2019年と、まだシーズンの3分の2近くを残している2020年に関しては優れた打撃内容と比較するとやや控えめなものとなっている。

 だが、そのXRをもとに計算されるXR27においては、その打撃内容に即した変化が生じているといえよう。直近の2年間では1シーズンごとに約2点ずつ数字を向上させており、2020年にはロメロが9人いれば、1イニングに1点以上が入るという領域にまで達している。盗塁数も評価対象となるXR27において、今季0盗塁のロメロがこれだけの数字を記録しているのは注目に値するだろう。

ど真ん中、そして内角低めで高い打率を示すロメロの打撃

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