楽天で進化を見せる助っ人ロメロ 打撃指標や傾向から見える好調の要因とは?
満遍なくどの球種にも高い打率を残し、苦手な球種が見えない
続けて、球種別の打率についても見ていきたい。
フォーク、カットボール、スライダー、シンカー/ツーシームに対しては打率.400以上の数字を残しており、真っ直ぐとチェンジアップに対しても打率.300以上を記録。速い球にも緩い球にも対応できる能力の高さが数字に表れている。
大半の球種に対応している一方で、シュートに関してはやや苦慮しているとも取れる数字が残る。ただ、シュートに近い球種であるツーシームやシンカーに対しては、全球種の中でも最も高い打率を記録しているという面もある。それだけに、今後改善が見られる可能性も大いにあるのではないだろうか。
安打になった打球の方向に目を向けると、左方向が14本と最も多く、センター方向が9本、左中間方向が8本、右方向が4本、右中間は0本と、長距離砲らしく引っ張って記録した安打がやや多くなっていた。その一方で、逆方向への打球は少なかったものの、センター返しの数もやや多くなっており、引っ張り専門ではないという点も興味深い。
その傾向がより顕著となっているのが本塁打の方向で、右方向への本塁打が2本だったのに対し、中堅方向と左方向がそれぞれ6本と、センターから左への本塁打に関しては同数となっている。柵越えも含めてセンター方向に強い打球を飛ばすことができるという点も、ロメロが持つ大きな特徴の一つだ。
最後に今季放った本塁打の内訳について見ていこう。左方向への6本塁打はカットボールが3本、スライダーが2本、カーブが1本とスライダー系の球種を引っ張ったものが多くなっている。コースはインコース低めの球をうまく拾ったものが3本、アウトコース高めに入ってきたカットボールを引っ張ったものが1本、ど真ん中に入ってきた変化球を逃さずに捉えたものが2本と、対応力の高さが示されている。