西武の守護神・増田の凄さは? 被打率0割の“魔球”、セイバーで見る総合力の高さ
投手としての高い総合力が、クローザーとしての安定感にもつながっている
独特の球筋を持つストレートと2種類のスライダーに加え、目先を変える効果を持つカーブを効果的に交えて打者を打ち取っていくスタイルが、現在の増田投手の持ち味だ。微妙な変化を見せるストレートに代表されるように、見た目の球速だけでは図り切れないような実戦的な強みを持っている点が、投球を支える要素の一つとなっている。
それに加えて、優れた制球力や一定以上の奪三振力といった要素も備えていることもあり、自滅に近い形で失点を喫する危険性も少なくない。また、コース別の被打率を見ても、得意なゾーンでの勝負であれば、相手を選ばずに高い確率で打者を打ち取れることが示されている。そういった投手としての総合力の高さが、毎年多くの登板を重ねながら、安定した投球を続けている理由にもなっていることだろう。
最優秀中継ぎと最多セーブの双方を受賞した経験のある増田投手は、プロの舞台で酸いも甘いも味わってきた、まさにリリーフのスペシャリストと呼べる存在だ。2020年にブルペン陣の成績を大きく向上させた西武にとっても、その存在は欠かせない。ライオンズの球団史において最も多くのセーブを記録してきた獅子の守護神は、今後も救援陣の中心的存在としてチームをけん引していってくれそうだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)