走り方次第で“誰でも足が速くなる” 元盗塁王を指導…専門家が伝授する極意
腕の振り方は「後ろを大きく」 力みにつながる全力疾走は逆効果
腕の振り方にもポイントがある。安福さんが繰り返したのは「前は小さく、後ろは大きく」。空気抵抗は少ない方が速く走れるため、走り方は前傾姿勢が理想となる。そして、腕を振る時に後ろを大きくした方が前傾を保てる。安福さんは胸を張ってゆっくり歩く行進を例に挙げ「前を大きくして腕を振ると体が起きやすくなります。速く走る時は逆の動きが必要で、腕を後ろに大きく振って体がのけぞらないようにします」と説明した。
3つ目のポイントは、全力で走らないこと。速く走りたい気持ちが強すぎて力を入れ過ぎると、力みにつながってスピードは出なくなる。打撃や投球でも、インパクトやリリースの瞬間に最大限の力を出すためには、いかに脱力するかが重要になる。
「思い切り走ることが一番速いという固定観念に捉われないことが大切です。今の力の入れ方では盗塁は成功できないのではないかというくらいの感覚の方が結果は良くなります」
相手チームにプレッシャーをかける武器となる足。スピードを高めるには、打撃や投球と同じように技術の習得が不可欠となる。
○安福一貴(やすふく・かずたか) 東京都出身。プロトレーナーとして、2003年に独立。約20年間、プロアスリートをメインとして、計4000人以上のトレーニングを指導。数年間のインストラクター経験と整体学、整骨学の知識を活かし、プロトレーナーに。元巨人の高橋由伸氏、西武時代の片岡易之氏(登録名は当時、現・保幸)をはじめ、多くのプロ野球選手が師事。2016年に東京・五反田にパーソナルジム「STARTUG」オープン。2020年に株式会社スタークレス設立。
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(間淳 / Jun Aida)
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